こんにちは、AOS.Mです。
「涼宮ハルヒの弦奏Revival」、最高のコンサートでした! 今回参戦レポを書き残しておこうと思います。
遡ること2009年、オーケストラコンサート「涼宮ハルヒの弦奏」が行われました。当時私はまだ涼宮ハルヒの憂鬱にハマっていなかったので、残念ながらこのイベントについて知るところは多くありません。
しかしながらこのコンサートはCD化されており、今でも聴くことが出来ます。アニメの歌や劇伴が、オーケストラという形で楽しめる。これがとても嬉しく、私は繰り返し何度もこのCDを聴きました。
「涼宮ハルヒの弦奏Revival」はその再演です。実に15年ぶり。当時の譜面がきちんと保管されていたおかげで、こうして再演が実現したそうです。
今回この再演が行われると聞いて、速攻でチケット抽選の申し込みをしたのを覚えています。
Tシャツが欲しいから夜の部にしよう*1、折角ならオーケストラの様子を広く見渡したいし後方の席にしよう……なんて考えて。無事抽選が通った時はとても喜びました*2。
そうしてハルヒ曲の生演奏が聴けることになり、それからは1月20日を待ち遠しく思う日々が続きました。そもそもコンサートを聴きに行くことがかなり久々で、それ自体も楽しみでした。
そうして当日。劇伴集のCDを聴きながら電車に揺られつつ、最寄りの川口駅に到着。
改札を出て西側出口から会場はすぐそこ。そのとても短い道中で、ハルヒのトートバッグを持った人と何人もすれ違う。昼の部が終わって会場を出た人々でした。ちょうど昼の部の終演時間だったとはいえ、そんなにすれ違うものなのか……?
そう思いながら会場の川口総合文化センターリリアに入った時、その疑問は解消されました。
本当に人が多い!
中で入場列が形成されていたのですが、それが大蛇のように曲がりくねっている。しかもそれでも会場内に収めるには足らず、最後尾はなんと会場の外まで伸びていました。
ハルヒのアニメが放映されてからかなり時間が経っているし、イベント自体もオーケストラコンサートというちょっと特異なもの。それでもこんなに人が集まるとは。
涼宮ハルヒの憂鬱というコンテンツの求心力を、まざまざと見せつけられた瞬間でした。実際、開演前にはメインホール内が満杯になっていました。
何とか最後尾を見つけ出しそこに並ぶと、すぐ列が進み始めました。電子チケットをぐるっとなぞって有効化し、それをスタッフに提示し、特典のTシャツを受け取り、花輪の写真を記念に撮って、お手洗いを済ませて、そしてメインホール内へ。
椅子に書かれた数字とにらめっこしながら自分の席を探し、着席。ワクワクしながら待っていると開演まであっという間でした。
そうして開演。チューニングの音が数音。
その後いきなり「恋のミクル伝説」の演奏が始まりました。
視聴者を置いてけぼりにした2006年放映版第1話を彷彿とさせる、それぐらい急な始まり方。そんな唐突な開演だったからこそ、逆に一瞬でオーケストラの世界に引き込まれていきました。
そうしてそこには、何度もCDで聴いたあのオーケストラがありました。あのCDに収録されていた曲を、こうやって生で聴ける。そのことに感無量でした。
当然、CDだけでは分からなかったこともあります。
沢山の弦楽器が並び、曲に合わせて弓が一斉に動く様子は壮観でした。
ホールに響くパーカッションや金管楽器の音は、迫力満点でした。
オーケストラに負けない2人の歌声は、まさに「歌姫」と呼んでいいものでした。
またRevivalでの新しい試みもありました。その1つが、前方にあったスクリーンです。アニメ本編のシーンが楽曲の展開に合わせて映し出され、それによってより一層ハルヒの世界へと没入出来るようになっていました。
例えば「恋のミクル伝説」では、落ち着いた前奏に合わせてスクリーンに北高の風景が映し出され、これからの演奏へのワクワク感を演出してくれました。また最後の「God knows...」では、ラストのヤマに合わせて「涼宮ハルヒの憂鬱Ⅵ」のキスシーンを持ってきていて、コンサートの締めの盛り上がりに相応しい演出となっていました。
2009年の頃から、こうやって映像に合わせて演奏することを考えていたのではないか。そう考えてしまう程にマッチした演出でした。
こういった弦奏Revivalの良さが一番引き出されていた1曲、それが「交響曲第7番ハ長調作品60『レニングラード』第1楽章」*3でした。これは「射手座の日」で使われたクラシック楽曲です。
この曲はまず最初、小さなスネアの音とクラリネットのソロというこぢんまりとした構成から始まります。映像の方でも、SOS団がコンピ研にいいようにやられるという興ざめな様子が映し出されています。
しかしそこから、長門が分艦隊を超広範囲に展開し、反撃に転じる。次に敵の不正を見抜き、そして「やっちまえ」の声のもとチート機能を停止させる。そうやって物語が盛り上がって行くのに合わせ、演奏に加わる楽器が増え、スネアの激しさも増していくのです。
最後には目の前に現れた敵の親玉目掛けて全員で一斉掃射! その時には全ての楽器が演奏に加わり、まさに大合奏! スネアの激しさも最高潮に達し、客席からでもスネア奏者が大きく手を振り上げているのが見えるほどでした。
CDで聴いた時は、この曲の展開の意味が分かりませんでした。でも弦奏Revivalを見た今では、その意味が分かります。
この曲を弦奏Revivalで通して聴き切った時、私はこの1曲を聴くためにチケット代を払ったのだ、とさえも思いました。
ちなみにアニメの方も、広大な宇宙に合わせた壮大なオーケストラの劇伴が魅力的な1話となっています。ぜひ一度、劇伴に注目しながらこの話を視聴してみてください。
また涼宮ハルヒの弦奏Revivalは、アニメイベントとしての楽しい一面も備えていました。
曲間のトークでは、2009年と同じ3人の方が司会として登場しました。この15年という歴史の重みを感じさせてくれるようなトークを、時に感心しつつ、時に笑いつつ楽しむことが出来ました。
また奏者がハレ晴レダンスを踊ったり、曲に合わせてコントラバスをくるっと回したり、そういった茶目っ気のある一面を見せてくれました。そういった楽しげな様子も、アニメイベントならではだと感じました。
総じて。
涼宮ハルヒの弦奏Revivalは最高のイベントでした。オーケストラという新しい切り口から、涼宮ハルヒの世界に触れられる。そんなイベントでした。
このコンサートに携わった全ての方に、感謝してもしきれないほどです。
最後に、弦奏Revivalの開催に合わせた、音楽プロデューサーの方からのツイートを紹介して終わろうと思います。まだ読んでない方は、是非一度目を通して欲しいなと思います。
【涼宮ハルヒの弦奏 Revival〜昔話と今の話】… pic.twitter.com/bPCHzidkBJ
— 斎藤 滋/Saito Shigeru (@Saito_S_HC) 2024年1月20日