バンブラPを知らない人向けにバンブラPで配信された物凄い譜面を紹介する記事

 こんにちは、ソルトワンです。

 突然ですが皆さん、大合奏!バンドラザーズ(略称:バンブラP)という音楽ゲームはご存じでしょうか?このバンブラPというゲーム、そのシステムゆえに生まれてしまった人間に遊ばせる気がないとても愛おしい譜面が多く存在するんです。

 今回は、そんな音楽ゲームバンブラP」を知らない音ゲーマーに向けて、バンブラPに存在する物凄い譜面を紹介しようと思います。

 

 この記事はバンブラPアドベントカレンダー2022参加記事です。

バンブラPとは

 譜面を紹介する前に、まずバンブラPがどんな音ゲーか軽く説明しておこうと思います。今回はこの記事を理解するための最低限の内容だけ解説します。

 大合奏!バンドブラザーズPはNintendo 3DSで発売された音楽ゲームであり、無印・DXに次ぐシリーズ3作目となります。

 このバンブラシリーズの目玉の一つが、「どんな曲でも遊ぶ事が出来る」という点です。バンブラPはゲーム内に作曲機能があり、遊びたい曲を再現して打ち込むことで、その曲を遊ぶことが出来るようになるのです。

イメージ図(実際に打ち込んだ結果はこちら

 では打ち込んだ曲をどのようにして音ゲーとして遊べるのでしょうか?バンブラPでは、打ち込んだ楽譜がそのまま音ゲー譜面へと変換されます(ここ大事!)。

 音階楽器であれば音の高さに応じて自動的にボタンが割り当てられ、ドラムならスネア・バスドラム等それぞれに合わせてボタンが割り当てられます。

音階楽器の変換例。左図の順で音の高さ毎にノーツを割り当てる

ドラムの場合。スネア・バスドラムなどに各ボタンが割り当てられている。

 このように、音ゲー譜面の生成ルールが定められており、それを元に楽譜が音ゲー譜面へと変換されるのです。

 遊び方は簡単で、流れる譜面に合わせて3DSのボタンを押すだけ*1!とてもシンプルで分かりやすい。

プレイ画面。三角の矢印が流れるので、それに合わせて3DSのボタンを押す

 また、打ち込んだ楽曲はゲーム内で投稿することもできます。再現のクオリティが高い等といった幾つかの条件を満たしていると、ゲーム内で配信されて全国のユーザーに遊んでもらえるようになります。今回はこの配信された曲の中から、物凄い譜面を8つ紹介しようと思います。

譜面紹介

 最初に紹介するのはこの曲!アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の登場キャラクター、長門有希のキャラソンですね。まだアニメ観てない人は観てください、そして原作小説も買ってください。

1行が1小節。その中に16列分ノーツがあるのでこれは16分連打

 さてこの曲のE・ドラムの譜面(上の画像)なんですが、これはなんとBPM280同時押し16分縦連です。いや、押せる訳ないだろ*2。しかもこれは曲中で13回降ってきます。

 この部分、原曲では高速のスネア連打がありまして、それをそのまま打ち込んで、そのまま音ゲー譜面にしたら当然こうなるんですよね。

 正直この連打に関してはどうしようもないです。これがAボタンだけだったらボタンを爪とかで擦る方法もある*3んですが、これは十字キーとの同時押しなのでやりようがないです*4。一応回復地帯がそこそこ長いので、頑張れば何とかクリアは出来ます。まぁクリアだけで精一杯なんですが…

 

 同じ曲からもう1つ、別のパートを紹介します。

画像だけじゃ分かりにくいかも…?

 こちらの譜面、とんでもないリズム難&判定難になっています。この譜面はBPM280という高速で16分裏12分裏などが沢山使われており、正確にリズムを刻むのは困難です。例えば上の画像の真ん中の列、まず1ノーツ目が16分1つ分後ろにズレてて、次のノーツも16分1つ分後ろにズレてて、その次のノーツも16分後ろ…と思いきやこれは12分1つ分後ろにズレています。何?

 「逆にそれぐらい速いなら、少しのズレは誤魔化せるんじゃない?」と思うかもしれませんが、なんとバンブラPにはBPMが高いほど判定が厳しくなる」というアホ仕様があります*5。この譜面はBPM280という高速なので判定が非常に厳しく、このリズムをかなり正確に押す必要があります。少しズレてMISSを量産…なんてのも日常茶飯事です。

 なんでこんなリズム難になっているのかというと、これがセリフ部分の譜面だからなんですね。曲中に入っている語りに正確に合わせようとした結果、こんな譜面が誕生してしまいました。

 この譜面は目押しするにも早すぎるので、譜面を見て感覚で何とかしましょう。自分は結構遅MISSを量産しがちなので、気持ち早めに押すようにしています。またこの譜面は回復地帯が結構長いので、意外とそこそこの点数は出せます。

 

 この曲は映画「名探偵コナン 業火の向日葵」の主題歌ですね。熱気があって好きなので結構カラオケで歌ってます。

 この譜面は動画で見た方が分かりやすいと思うので、物凄い部分だけを抜き出した短い動画を貼っておきます。

youtu.be

 はい、見ての通り速度変化がヤバいです。赤と青の矢印はそれぞれ加速と減速を表しているんですが、この速度変化の数がえげつない上に変化の幅も大きいです。

 この部分には楽器が3パート入っています。「ジャララ…」というフレーズのフォークギター、アドリブ演奏のようにリズム不定クラシックギター(動画はこのパート)とアコーディオンこの3つを再現するために、速度変化がえげつないことになっています。

 リズム難という意味では一つ前に紹介した譜面と似ていて、リズムは目で見ても分かんないので完全にリズムを覚えるしかないです。ただこの譜面も回復が長い、というかこの部分以外は全部回復なのでクリアや高得点は容易です。

 ちなみに先ほどの「BPMが高いほど判定が厳しくなる」という仕様により、この譜面はノーツ毎に判定が広くなったり狭くなったりします。そういった意味でも物凄いです。

 

 バレンタインの定番曲ですね。2月に街中でこの曲を聞いて血涙を流す人も多いのではないでしょうか。ふえぇ❣️😳💦

曲のテンポはそんなに速くないからまぁ…

 さてこの譜面はこんな感じです。左手がしんどそうではありますが、この譜面の本質はそこではありません。もう少し先の譜面も出しておきます。

画像内左の数字は小節番号です

 そのさらに先の譜面はこんな感じです。

間違い探し

 ...…...…...…...…...…...…...…...…。

……...…...…

 ……はい。この譜面、最初から最後までほぼ同じ譜面が流れてきます*6。休憩地帯を除けば2分48秒ぐらい同じ譜面をずっとやらされるという、恐ろしい譜面です。

 この曲終始同じ音が鳴っていまして、ということは当然、終始同じ譜面が出来るんですよね……

 この譜面は十字キーに偏っていて左手がしんどい上に、ずっと同じ譜面なのであっという間に癖が付いたりゲシュタルト崩壊したりします。対策として、左手が疲れないように十字キーを両手で分業したり、ゲシュタルト崩壊を防ぐために心を出来るだけ無にしてプレイしたりするなどどいったことが挙げられます。

 

 この曲はゲーム実況者グループ「M.S.S Project」よりリリースされたアルバム「M.S.S.PiruPiruTUNE」に収録された楽曲です。グルコスにも収録されておりワクワクするような譜面演出になっているので、見たことない人は是非見てください。

 この譜面はファミコンB①*7と見比べると分かりやすいです。

上がファミコンB①、下がファミコンB②

 そう、この譜面はファミコンB①の譜面を16分1つ分後ろにズラした譜面になっています。この部分、他の譜面は正常なのにこの譜面だけズレており、めちゃくちゃ演奏しにくいです。

 これは推測ですが、元の音から16分1つ分遅れて音を鳴らすことで、エコーがかかったような音色を再現しているのではないかと考えられます。そのためこんな譜面になってるのでしょう。

 この譜面、目押しよりは遅め意識の方が個人的には安定します。バンブラPには判定調整機能という便利なものは存在しないので、頑張って合わせに行きましょう。

 この曲はアニメ「ひだまりスケッチ」で使われたジングルです。アニメは観たことないです、すみません。実写のキャベツが出てくることは知ってます。

 この譜面も動画で見た方が分かりやすいです。

youtu.be

 これがこの曲の全部です。はい、この曲めちゃくちゃ短いです。その時間なんと0分5秒

 バンブラPで投稿できる曲はJASRAC等のデータベースにあるものに限定されていたんですが、逆に言えばその中にある曲は大体投稿出来ました。そのためバンブラPではこういう曲も投稿されていて、ニッチな需要を満たしていたりもしました。

 ちなみにこの譜面、「BYYB→」の部分が割と押しにくい上に、結構BPMが高いせいで判定もシビアなので、短いながらも100点を取るのはちょっと難しいです。

 

  • VEXATIONS // PAGES MYSTIQUES ピアノ②

 短い曲は上で紹介した通りです。じゃあ逆に長い曲は何なのか、気になりますよね???それがこの曲です。

 この曲は「ジムノペディ」などで知られる*8エリック・サティが作曲したピアノ曲で、トリビアの泉でも紹介されたりしました。

 さてその長さですが……(この動画は観なくていいです)

www.nicovideo.jp

 なんと15分38秒あります。これで曲が15分間展開し続けるとかだったらまだ良かったんですが、なんとこの曲は50秒ぐらいのフレーズを延々と繰り返すだけ!えぇ……

 まぁそもそも「VEXATIONS」という曲名が「嫌がらせ」という意味なのでこれは仕方ないです。寧ろ原曲は18時間ある*9らしいので、バンブラPに移植されるにあたって尺の都合で15分38秒に短縮されているのはとても温情だと言えます。

 この曲の攻略ですが、正常な人間ならプレイしないことが攻略と言えるんじゃないでしょうか。

 ……まぁ私はやったんですが。この曲面白いと思ったので*10

 

 kemu氏のボーカロイド楽曲ですね。確かこのころはボカロ曲のノベライズが流行っていて、この曲も書籍化されてそれを読みました。懐かしい。

この曲の譜面の全て

 この曲は3分10秒くらいある*11んですが、その中でもこのピアノの譜面、なんと開幕2小節に少し譜面があるだけで、残りはずっと空白になってます。攻めすぎでは?

 まあこの曲のピアノの出番は最初しかない*12ので仕方ないです。

 ちなみにこういった譜面について、公式は「ここぞというときに一球入魂の演奏を」というコメントをしています。この楽器の唯一の見せ場、この23ノーツに全てを賭けましょう

 あとこの譜面は通信プレイ等でトイレ休憩したい時に使えます。

あとがき

 いかがでしたか?

 ここまで、バンブラPに存在する物凄い譜面を紹介させていただきました。

 さて私はまえがきで、こういった譜面を「愛おしい」と表現しました。それはなぜなのでしょうか?(例えば他の音ゲーで似たような譜面があったとしても、私は別にそれを面白いとは感じないと思います。)

 どうしてバンブラPのこういった譜面が面白いか、それは譜面に正当性が有るからです。配信されるためには「再現のクオリティが高い」という条件を満たす必要があるので、当然音程・リズムを原曲通りに正しく打ち込む必要があります。そうして打ち込んだ楽譜がルールに従って音ゲー譜面へと変換され、その結果としてこういう譜面が出来上がります。言い換えれば、譜面を故意に難しくしたり簡単にしたりってことは基本的に出来ないんです。

 これ、非常に素晴らしいシステムだと思いませんか?もし人間に対して理不尽すぎる譜面が出来たとしても*13「いや~まあそういう音鳴ってるし仕方ないな!www」って許せちゃえるんですよ?

 またこういう譜面生成方法である以上、想定運指や人間工学理論などどいったものは当然存在しません。でもだからこそ、その譜面にどうやって立ち向かっていくか、それを考える面白さがあるんです。

 バンブラPの譜面がこういうシステムで作られるからこそ、私はこのゲームの譜面を「愛おしい」と考えるのです*14

最後に

 そんなバンブラPですが、現在はオンラインサービスが終了しています……………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンブラSwitchはよ出してくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

*1:違うモードもありますが、今回は割愛

*2:これは比喩でもなんでもなく、本当に押せる人が誰も居ません

*3:マリパ

*4:やり方を思いついた人が居たら教えてください

*5:昔のグルコス?

*6:一応休憩地帯もある

*7:同じ曲に同じ楽器が複数ある場合、このように丸付き番号で区別します

*8:知らない人は映画「涼宮ハルヒの消失」を観なさい

*9:演奏者によってはもっと伸びるらしい

*10:金メッキ≒他音ゲーにおける全難易度パーフェクト

*11:バンブラPは全体的に尺長め

*12:原曲だと中盤にも出番はありますが、尺の都合上カットされています

*13:ちなみにクリア者が居ない譜面はいっぱい存在します

*14:ちなみに採譜ミスとかで難しくなってる譜面は許してません